【マンガで学ぶ】催眠術の仕組みは?なぜかかるのかを科学的根拠と一緒に解説!

この記事で全て分かる
  • なぜ催眠術にかかるのか?
  • 催眠術の仕組みと原理は?
  • 催眠術の科学的根拠は?

催眠術にかかる仕組みを心理学や脳科学に基づいて説明していきます。

また、研究機関で催眠術の実験も行われているので合わせてご紹介します。

催眠術にかかる仕組みは?心理学や脳科学で説明

凛ちゃん
凛ちゃん

催眠術になぜかかるんですか?

心理学と脳科学の視点から紹介していくよ

催眠術師X
催眠術師X

なぜ、催眠術にかかるのか?
「心理学」と「脳科学」の両分野から研究が進められているので、
詳しく解説したいと思います。

心理学の視点から解説

心理学の分野で最も有名な「潜在意識(無意識)説」を解説したいと思います。

私たちには、「意識」と「潜在意識」の2つの意識があります。

意識と潜在意識の違いは何か?

意識とは、現在、注意を向けているもののことです。

例えば、私たちは毎日色んな考え事をしています
「この後のご飯は何を食べようかな?」と考えている時は、
ご飯を考えることに意識が向いています。


一方で、潜在意識(無意識)とは、現在、注意を向けていないもののことです。

例えば、意識をしていなくても、
心臓を動かしたり、呼吸を続けていたり、身体を動かしたり・・・

と、無意識に動かしている部分は非常に多いのです。


そして、2つの意識の割合で言うと、
「意識1割:潜在意識9割」だと言われています。

これは、意識と潜在意識の割合はよく氷山で例えられます。
海面に出ている意識よりも、海に沈んで見えない潜在意識の方が遥かに巨大なのです。

普段は、意識と潜在意識は協力しながら私たちの身体をコントールしています。
意識をしていなくても、呼吸を忘れたりすることがないのはこのためです。

しかし、もし、意識と潜在意識が全く逆のことをしようとしたら、
身体は一体どうなるでしょうか?

この場合、「意識」よりも「潜在意識(無意識)」の力が圧倒的に強いため、
「意識」で思っている通りに自分の身体をコントロールできません。

例えば、「身体が固まる」という催眠術に掛かっている場合は、
意識では、「体を動かしたい!」と思いますが、
潜在意識は「固まって動かない」と思っています。

すると、潜在意識の方が勝ってしまい、
意識で動かそうとしているのに動かない状態になるのです。

イメージとしては、「意識」と「潜在意識」が綱引きをしているようなものです。

1人vs9人の綱引きでは、9人の方が勝ちますよね。
「意識」よりも「潜在意識」の考えが勝つことで、
意識に反した現象が起こるのです。

そのため、催眠術は、潜在意識(無意識)にアプローチをするスキルだと言われています。

脳科学の視点から解説

一方で、脳科学の分野でも催眠術の研究は続けられてきました。
長年、催眠術の現象は、脳が特殊な状態になることで引き起こされるものだと考えられてきました。
しかし、近年の研究では、脳の機能が引き起こしている通常の現象であると考えられています。

例えば、
「私たちはこの世界を正しく認識しているのか?」
というと、少し違います。

例を挙げると、映画を観て爆発するシーンがあった時に、
思わず顔を背けたり、心臓がドキドキしてしまいます。
しかも、実際は爆発は起きておらず、安全であるにも関わらずです。

このように、「現実の世界」と「脳が認識している世界」ではズレが生じています。

そして、私たちの身体は、
「脳が認識している世界」に反応します。

つまり、「脳が認識している世界」を変えることができれば、
一見不思議に見える催眠術の現象を起こすことができるのです。

そのため、催眠術に掛かるというのは、
脳の機能の一つに過ぎないと考えられています。

催眠術の実験は?実は昔から研究されている

凛ちゃん
凛ちゃん

催眠術って科学的に研究されているんですか?

実は色んな実験がされているよ

催眠術師X
催眠術師X

催眠術は昔から研究の対象にされていました。
ここでは、いくつかの研究結果を発表したいと思います。

スタンフォード大学・ハーバード大学の実験

スタンフォード大学では、心理学の権威アーネスト・ヒルガード教授が催眠実験を行い、
催眠感受性スケール(催眠術のかかりやすさの分類)を1959年-62年に制定しました。

参考:スタンフォード催眠感受性スケール


また、のちにハーバード大学も実験を行い
「ハーバード催眠感受性スケール」を制定しました。

参考:ハーバード催眠感受性スケール

これらの実験の影響から、現在では催眠術の現象を3つのレベル分類する方法がよく使用されています。

催眠術にかかっている人の脳内の研究

スタンフォード大学のDavid Spiegel氏が
催眠術に掛かっている最中の脳の違いを計測すると、
「かかっている人」と「そうでない人」の間で違いがあることが分かりました。

参考:催眠術に関連する脳活動と機能的接続性について

また、David Spiegel氏は、
禁煙や痛み・ストレス緩和に催眠は有用であると述べています。

実際にアメリカでは、催眠療法に保険が適用されるなど、
心理療法の分野で催眠が用いられています。

まとめ

  • 心理学では「意識」と「潜在意識」の違いから説明されることが多い
  • 脳科学では脳の機能の影響であると考えられている
  • 催眠に関する実験も行われている
  • 催眠療法など心理療法の分野への応用が行われている

催眠術の仕組みが分かったら、次は「かけ方」を知りたくありませんか?
催眠術の仕組みを利用して催眠術をかける方法を下記の記事で詳しく解説していますので、
ぜひ合わせてお読みください↓

催眠術のかけ方の全体像-催眠術師Xの館